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5か月短期攻略法 2 「代 理」 小川多聞

ウィークポイント超速整理その2

2 代 理

 無権代理は,原則無効。ただし,①追認のあった場合,②表見代理の成立する場合は有効。

 代理の有効要件としては,代理人と相手方の間に有効な意思表示があることのほか,代理人が,①「顕名」することと,②代理人に「代理権」のあることが必要となります。
 このいずれかがない場合は,代理行為は無効ということになります。

 ここでは代理権のない場合,いわゆる「無権代理」に関して整理してみましょう。

(1)無権代理行為の効力

 無権代理は,「無効」となります。
 本人に契約等の効果が帰属しない(効果不帰属)ということです。

 ただし,この「無効」は,通常の「無効」と比べて少し違う無効だとされています。

 すなわち,あとで無権代理行為を本人が追認すると,最初にさかのぼって「有効」となるからです。
 通常の「無効」行為の追認は,さかのぼる効力はなく,将来に向かってのみ有効となるからです。

 この「無効」のことを通常の「無効」と区別して「不確定無効」という人もいます。

 無権代理は「無効」ですので,相手方は本人に対して,契約等の効力を主張することはできません。
 そうすると,契約の締結を信じた相手方に酷な結果となります。そこで認められたのが,「無権代理人の責任」です。

【無権代理人の責任】

1 他人の代理人として契約をした者は,自己の代理権を証明することができず,かつ,本人の追認を得ることができなかったときは,相手方の選択に従い,相手方に対して①履行又は②損害賠償の責任を負う。


2 この規定は,無権代理であることを,①相手方が知っていたとき,若しくは過失によって知らなかったとき,又は②無権代理人が行為能力を有しなかったときは,適用しない(民法117条)。


(2)無権代理が有効となる場合

 次の場合は,無権代理行為も有効(本人に効果が帰属する)となります。

 第一は,「追認」のあった場合です。
 無権代理行為は,「代理権」が欠けていただけですので,その欠けている部分をあとで本人が補充するわけです。


 第二が,「表見代理」の成立する場合です。「表見代理」は本人の犠牲の下に取引の安全を保護する制度ですので,本人側に若干の責任と,相手方に保護されるべき事情がなければなりません。


【表見代理】

①権限外の行為の表見代理
  本人の責任→少しだけ代理権を与えた     相手方の保護要件→善意・無過失

②代理権消滅後の表見代理
  本人の責任→一度は代理権を与えていた   相手方の保護要件→善意・無過失

③代理権授与表示による表見代理
   本人の責任→代理権を与えた旨の表示をした    相手方の保護要件→善意・無過失

「表見代理」は,この3つしかありません。いわば,本人に帰責事由のある場合が,3種類に定型化されているということです。
 

予想問題

次の記述のうち,正しいものには○,誤っているものには×をつけなさい。

1 Aの所有する土地につき,Bが無断でAの委任状を作成し,Aの代理人としてCにAの土地を売却した。この場合,Cが善意・無過失ならAC間に有効な売買契約が成立する。


2 Aの所有する土地につき,BがAの代理人としてCに売却する契約を締結したが,Bは土地売買の代理権はなかった。

この場合,AがBに抵当権を設定する代理権を与えていたとすれば,Cに,Bは土地売買の具体的代理権があると信じるべき正当な事由のあるときは,AC間の土地売買契約は有効となる。


解答・解説


1 本文章からは,本人Aに,帰責事由があることはうかがえないので,表見代理は成立しない。×

2 Bに,抵当権設定の代理権があり(帰責事由あり),かつ,Cが善意・無過失なので「権限外の行為の表見代理」が成立する。〇