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5か月短期攻略法 5「共有物の妨害排除」小川多聞

ウィークポイント超速整理その5

 
5 共有物の妨害排除

 共有物について不実の登記をしている者に対しては,単独で,妨害排除を請求できる。

【共有物の使用】

 各共有者は,共有物の全部について,その持分に応じた使用をすることができる(民法249条)。

 この規定から,共有物に関して不法占拠している者に対して,その妨害排除請求をすることができます。

 しかし,これを考える場合は,①「不実登記の場合」,②「他の共有者から持分を取得した場合」,③「他の共有者が不当占拠している場合」に分類して考えないと,混乱します。

(1)不実の登記をしている場合

 この場合は,保存行為として,単独で抹消登記請求ができます。不法占拠している場合も同じです。


【判例研究】

①不動産の共有者の1人は,共有不動産について実体上の権利を有しないのに持分移転登記を了している者に対し,その持分移転登記の抹消登記手続を請求することができる(最判平15・7・11)。


②不動産共有者の1人はその持分権に基き,単独で当該不動産につき登記簿上所有名義を有する者に対しその登記の抹消を請求することができる(最判昭31・5・10)。

 しかし,損害賠償請求をする場合は,金銭債権になるので,事情が異なります。

③共有地の不法占拠を理由として,共有者全員又はその一部の者が不法占拠者に対して,その損害賠償を求める場合には,各共有者は,それぞれの共有持分の割合に応じて請求できるものであり,その割合を超えて請求することは許されない(最判昭51・9・7)。

(2)他の共有者から持分を取得した場合

 共有者の1人からその共有持分を取得した者が,単独占有している場合です。この場合は,その取得した持分の限度で使用権がありますので,当然には明渡請求することはできません。

【判例研究】

 共有者の一部の者が共有物を第三者に使用貸しした場合に,それを承認しなかった他の共有者は,第三者に当然には明渡しを請求できない(最判昭63・5・20)。

(3)他の共有者が不当占拠している場合

 この場合は,「明渡請求」は当然にはできません。しかし,損害賠償請求は,その持分に応じてできます。


【判例研究】

①共有物の持分の価格が過半数を超える者は,共有物を単独で占有する他の共有者に対し,当然には,その占有する共有物の明渡しを請求することができない(最判昭41・5・19)。

②不動産の共有者の1人が単独で占有していることにより持分に応じた使用が妨げられている他の共有者は,占有している者に対して,持分割合に応じて占有部分に係る地代相当額の不当利得金ないし損害賠償金の支払を請求することはできる(最判平12・4・7)。


【注意】 共有物の所有権の確認は,共有者全員でしなければならず,共有持分の確認は,各共有者が単独でできることに注意。


 
予想問題

次の記述のうち,正しいものには○,誤っているものには×をつけなさい。

1 A・B・Cが別荘を均一の持分で共有している場合,Aが勝手に別荘を単独使用している場合,Bは,単独で明渡請求することはできるが,不当利得返還請求は,持分の割合を超えてすることはできない。


2 A・B・Cが,持分を均一とする甲土地を共有する場合,Dがこの土地を不法占拠しているときは,Aは,単独で,Dに対して,A・B・Cに生じた損害全額の賠償を請求することができる。

解答・解説

1 単独で明渡請求をすることはできない。不当利得返還請求については正しい。×

2 自己の持分を超えて損害賠償請求をすることはできない。×