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5か月短期攻略法 7 「債務不履行」 小川多聞

ウィークポイント超速整理その7

7 債務不履行

 契約成立後,債務者の責めに帰すべき事由による遅滞・不能となったのが債務不履行。

 債務不履行の問題か危険負担の問題か,が混乱することがあります。ここで整理してみましょう。


(原始的不能)
契約成立までに目的物滅失→契約は無効
→契約締結上の過失

(原始的一部不能)
契約締結までに目的物損傷→瑕疵担保責任

      ↓

契約成立


契約成立後目的物引渡しまでに滅失・損傷
債務者に責任あり→債務不履行
債務者に責任なし→危険負担(後発的滅失・損傷)

     ↓

引渡し

 

【注意】

①履行遅滞後,債務者の責めに帰することのできない事由で目的物が滅失・損傷した場合は債務不履行の問題となります。いったん履行遅滞となっているので,危険負担の問題とす
 るのは債権者に酷な場合が出てくるからです。


②契約締結上の過失が成立するのは,債務者に帰責事由のある場合です(債務者は損害賠償しなければなりません)。


③瑕疵担保責任は,無過失責任なので,債務者に帰責事由がなくても責任を負います。
 


予想問題

平成20年9月1日にA所有の甲建物につきAB間で売買契約が成立し,当該売買契約において同年9月30日をもってBの代金支払と引換えにAは甲建物をBに引き渡す旨合意されていた。


この場合に関する次の記述のうち,民法の規定によれば,正しいものはどれか。

1 甲建物が同年8月31日時点でAB両者の責めに帰することができない火災により滅失していた場合,甲建物の売買契約は有効に成立するが,Aの甲建物引渡債務も,Bの代金支払債務も共に消滅する。


2 甲建物が同年9月15日時点でAの責めに帰すべき火災により滅失した場合,有効に成立していた売買契約は,Aの債務不履行によって無効となる。


3 甲建物が同年9月15日時点でBの責めに帰すべき火災により滅失した場合,Aの甲建物引渡債務も,Bの代金支払債務も共に消滅する。


4 甲建物が同年9月15日時点で自然災害により滅失しても,AB間に「自然災害による建物滅失の危険は,建物引渡しまでは売主が負担する」との特約がある場合,Aの甲建物引渡債務も,Bの代金支払債務も共に消滅する。


解答・解説

1 誤り。契約締結前に目的物が滅失しているので,契約は無効である。

2 誤り。契約は有効に成立しており,債務不履行となる。債務不履行は契約の有効が前提である。無効な契約からは債務は発生しない。

3 誤り。債務者の責めに帰することのできない事由(債権者の責任)で滅失しているので,危険負担の問題となる。この場合は,Aの建物引渡債務は消滅するが,Bの代金支払債務は消滅しない(債権者主義)。

4 正しく正解。危険負担の問題であるが,これらの規定は任意規定なので,特約が優先する。