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5か月短期攻略法 8 「保証債務」 小川多聞

ウィークポイント超速整理その8

8 保証債務

 求償権の範囲は,委託を受けたら大,意思に反しなければ中,意思に反したら小。

 保証債務と主たる債務は,別個独立の債務です。しかし,保証人がその債務を弁済した場合,実質的には他人の債務を弁済したことになります。

 そこで,弁済した保証人に,主たる債務者に対する求償権が認められています。その求償権の範囲が少し混乱しやすいですので,ここで整理しましょう。

(1)委託を受けた保証人の求償権

 委託を受けた保証人の求償権の範囲は,弁済その他免責があった日以後の法定利息及び避けることができなかった費用その他の損害の賠償である(民法459条2項,442条2項)。


 ようするに,弁済した日から求償の日までの利息等も求償できるということです。


(2)委託を受けないで保証人となったが,それが主たる債務者の意思に反しない場合

 主たる債務者の委託を受けないで保証をした者が弁済をし,その他自己の財産をもって主たる債務者にその債務を免れさせたときは,
主たる債務者は,その当時利益を受けた限度において償還をしなければならない(462条1項)。


「その当時」というのは,弁済の当時のことです。したがって,100万円弁済し,1年後に主たる債務者に求償したならば,100万円求償できます。1年分の利息は求償できません。

(3)委託を受けないで保証人となったが,それが主たる債務者の意思に反する場合

 主たる債務者の意思に反して保証をした者は,主たる債務者が現に利益を受けている限度においてのみ求償権を有する(462条2項)。

「現に」というのは,求償の当時という意味です。

 したがって,100万円弁済し,1年後に求償したが,弁済後に主たる債務者が債権者に対して100万円の反対債権を取得し,それで相殺した場合は,求償当時には主たる債務者に現存利益はないので求償できません。

 保証人は,債権者に対して不当利得の返還を求めることになります。


 民法462条2項は,上記条文に続き「主たる債務者が求償の日以前に相殺の原因を有していたことを主張するときは,保証人は,債権者に対し,その相殺によって消滅すべきであった債務の履行を請求することができる」として,この趣旨を明らかにしています。


 以上を一覧表にしてみましょう。

保証の態様
①委託を受けた保証人   求償権の範囲→弁済額と求償の日までの利息等

②意思に反しない保証人 弁済の当時利益を受けた限度(利息等はダメ)

③意思に反する保証人 求償権の範囲→求償の当時利益を受けている限度


 
①委託を受けた保証人=100万円+利息等

②意思に反しない保証人=100万円

③意思に反する保証人=なし

【注意】 保証債務の範囲の問題と求償権の範囲の問題を混同しないこと。


【保証債務の範囲】

 保証債務は,主たる債務に関する利息,違約金,損害賠償その他その債務に従たるすべてのものを包含する(447条1項)。

 予想問題

 次の記述のうち,正しいものには○,誤っているものには×をつけなさい。

1 AがBに1,000万円の債権を有し,CがBの委託を受けてその保証人となった場合,CがAに1,000万円を弁済したときは,Cは,Bに500万円についてのみ求償することができる。


2 債務者の意思に反しないが,その委託を受けないで保証人となった者が債権者に弁済したときは,債務者が現に利益を受けている限度で求償することができる。

解答・解説

1 求償額は1,000万円と利息等である。×

2 その当時利益を受けた限度において求償できる。×