5か月短期攻略法 12 「契約の解除」 小川多聞
ウィークポイント超速整理その12
12 契約の解除
期間を定めないでした催告でも,客観的に相当期間が経過すれば解除できる。
【解除と催告】
解除の態様
①履行遅滞による解除 → 催告の要否 ○
②履行不能による解除 → 催告の要否 ×
③不完全履行 → 催告の要否 追完可能 ○
による解除 追完不能 ×
このように,履行遅滞による解除は,債務者に最後の履行の機会を与えるために,相当期間を定めて「催告」をし,その相当期間経過後に解除できることになります。
契約締結 履行期 催告 解除可能
------|--------|----------|---------------------|------→
履行遅滞 ↑相当期間↑
上記は,確定期限付または不確定期限付債務の場合には妥当します。では,期限の定めのない債務の場合はどうなるでしょうか。
(1)期限の定めのない債務の場合
まず,債務者が履行遅滞に陥らなければなりません。
【履行遅滞になる時期】
債務の種類
確定期限付債務 遅滞に陥る時期 →期限到来時
不確定期限付債務 遅滞に陥る時期 →期限到来を債務者が知った時
期限の定めのない債務 遅滞に陥る時期 →債権者から履行の請求(催告)を受けた時
【注意】 同時履行の抗弁権がついている場合は,債務の履行の提供をせずに催告しても,相手方は履行遅滞になりません。
この場合は,履行の提供をしたうえで催告し,その後解除することになります。
期限の定めのない債務に関しては,「催告」をして初めて履行遅滞になります。そこで,この債務者を遅滞に陥れるための催告と,解除をするための「催告」を二度しなければならないかが問題となります。
2つの催告
契約締結 催告 催告 解除可能
------|-----------|---------|-----------------|------→
履行遅滞 相当期間
判例は,次のようにいっています。「期限の定めのない債務については,債権者は債務者に1回催告すれば,債務者を遅滞に陥れることができるとともに,解除のための催告とかねることができる」(大判大6・6・27)。
(2)相当期間の意味
解除のためには「相当の期間を定めて履行の催告」をしなければなりませんが,不相当な期間を定めて催告した場合や,期間を定めずに催告した場合は有効な催告といえるでしょうか。
この点に関しては,相手方は履行遅滞に陥っていますので,それほど保護する必要はありません。
催告の意味は,最後の履行の機会を与えればいいのですから,催告があれば期間についてはあまり問題とならないといっていいでしょう。
【判例研究】
①債務者が履行の催告に応じない場合に,債権者が催告の時から相当期間を経過した後にした解除の意思表示は,催告期間が相当であったかどうかにかかわりなく,有効である(不相当な期間の例,最判昭31・12・6)。
②期間を定めないで催告しても,催告の時と解除の時との間に相当な期間が経過していればよい(大判昭2・2・2)。
(3)無催告解除はできるか
では,まったく催告しないで履行遅滞による解除はできるでしょうか。
判例は,賃貸借契約に関して,信頼関係を損なうような場合は無催告で解除ができることを認めています。また,無催告解除の特約の有効性も認めています。
【判例研究】
①賃貸借は当事者相互の信頼関係を基礎とする継続的契約であるから,賃貸借の継続中に,当事者の一方に,その義務に違反し信頼関係を裏切って,賃貸借関係の継続を著しく困難ならしめるような不信行為のあった場合には,相手方は,催告を要せず,解除することができる(最判昭27・4・25)。
②借地契約において賃料の不払があったときは催告を要せず解除できる,という特約は有効である(最判昭40・7・2)。
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