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直前予想問題と解説 権利関係5 植杉伸介


⑦書面または電磁的方法による決議

【問7】 次の各問の正誤を答えなさい。
1 区分所有者の過半数の承諾があるときは,集会を開かずに,書面又は電磁的方法による決議をすることができる。

2 区分所有者全員の書面又は電磁的方法による合意があったときは,書面又は電磁的方法による決議があったものとみなされ,集会の決議と同一の効力を有することになる。

【解答・解説】
1 誤り。集会の開催を省略して,書面または電磁的方法(電子メール等)による決議ができるのは,区分所有者「全員」の承諾がある場合です(区分所有法45条1項)。

2 正しい。区分所有者全員が書面または電磁的方法により,議題の内容について合意しているときは,集会の決議があったのと同一の効力が生じます(区分所有法45条2項・3項)。

〈改正のポイント・注意点〉
決議は,集会を開いたうえで行うのが原則です。決議を行う前に顔を合わせて議論するプロセスも重要だからです。しかし,改正区分所有法では,区分所有者全員の承諾があるときは,集会を開かずに,書面または電磁的方法により決議することができるようになりました。

 また,従来は,「書面」による場合のみ,区分所有者全員の合意が集会の決議と同一の効力があるものとみなされていたのですが,インターネットなどが復旧してきたため,「電磁的方法」も認められるよう改正されました。


⑧管理組合の法人化

【問8】 次の問の正誤を答えなさい。
1 管理組合は,区分所有者の数が30人以上である場合に限り,区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議で法人となる旨並びにその名称及び事務所を定め,かつ,その主たる事務所の所在地において登記をすることによって法人となる。

【解答・解説】
1 誤り。区分所有者の数が30人以上いなくても,管理組合を法人化することができます(区分所有法47条1項)。

〈改正のポイント・注意点〉
 改正前は,管理組合が法人になるためには,区分所有者の数が30人以上あることが必要でしたが,この区分所有者の人数要件は撤廃されました。区分所有者の人数は,絶えず変動する可能性がありますし,30人という数字に特に合理性はないと考えられたからです。


⑨建替え決議

【問9】 次の各問の正誤を答えなさい。
1 建替えを議題とする集会を招集するときは,当該集会の会日より少なくとも1月前に,集会の招集通知を発しなければならない。

2 建替えを議題とする集会を招集した者は,当該集会の会日より少なくとも2週間前までに,当該招集の際に通知すべき事項について区分所有者に対し説明を行うための説明会を開催しなければならない。

【解答・解説】
1 誤り。建替えを議題とする集会を招集するときは,当該集会の会日より少なくとも「2月」前に招集通知を発しなければなりません(区分所有法62条4項)。

2 誤り。建替えを議題とする集会を招集した者は,当該集会の会日より少なくとも「1月」前までに,説明会を開催しなければなりません(区分所有法62条6項)。


〈改正のポイント・注意点〉

 集会の招集通知は,原則として会日の1週間前までに発すればよいことになっています。改正前の区分所有法では,その集会での決議事項が建替え決議であっても,この点は同じでした。しかし,建替えという重大問題についてわずか1週間程度で内容を検討し,意思決定をすることは困難です。

そこで,改正区分所有法では,建替え決議を行う集会の招集通知は,2か月前までに発しなければならないことにしました。

 また,区分所有者が建替えの可否を適切に判断できるように,改正区分所有法では,建替え決議を行う集会の会日の少なくとも1か月前に,招集通知で通知された事項について説明を行うための説明会を開催することを義務づけました。


⑩登記の申請

【問10】 次の問の正誤を答えなさい。

1 登記の申請は,電子情報処理組織を使用する方法又は申請情報を記載した書面(申請情報の全部又は一部を記録した磁気ディスクを含む。)を提出する方法により,不動産を識別するために必要な事項,申請人の氏名又は名称,登記の目的その他の登記の申請に必要な情報を登記所に提供してしなければならない。


【解答・解説】
1 正しい。本問のとおりです(不動産登記法18条)。登記の申請は,電子情報処理組織を使用したオンライン申請,または書面(磁気ディスクを含む)を提出する方法により行われます。

〈改正のポイント・注意点〉
 不動産登記法は,平成16年に大きな改正がありました(施行は,平成17年3月7日から)。細かな改正点はたくさんありますが,最も大きいのは登記の申請方法が変わったことです。

従来は,登記所に出頭したうえで(郵送による申請は不可),書面を提出する方法で行われていましたが,現代の社会状況にマッチすべく,オンライン申請を認めるようになったのです。


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