宅建21年受験用・正解肢の導き方1 十影 響

はじめに―過去問研究の必要性
 19年度・20年度と問題が難化したといわれながら,2年とも合格基準(合格最低点)は前年に比べ,わずか1点低くなっただけでした。この原因としては知識量の差という面よりも,問題を解く方法を知らない受験者が多かったという面のほうが強いと思われます。


 また,「出題方法の変化に幻惑されて,肝心の正誤の判断に集中すべきなのに殺がれてしまった」と,受験者の方からの感想もうかがっています。

 このことは,同じ知識量でも問題を解く処理方法を知っているかどうかで,得点力に大きな差が出ているということを意味し,試験対策としては,問題の解き方を知らないことによる失点を防ぐ方法を講じなければならないことも汲み取れます。

 そこで,今回は,宅建試験の過去問のスペック(数値面の特徴),正解肢の導き方を見ていきましょう。どちらも試験本番の得点力を高めるうえで必要なものだとお分かりになると思います。


1 最近の出題状況
 どの資格試験でも学習を始めるにあたって必要なのは,最近の出題傾向を把握することです。最近の宅建試験の問題では,以下のような傾向が見受けられます。

(1) どの分野でも,改正点以外に初出題となる肢が増えている。
(2) 民法関連では,判例からの出題や事例問題が多くなっている。
(3) 正誤問題や選択問題のほかに,個数問題・組合せ問題など,正確に知識を把握していないと答えられない問題が出題されている。
(4) 複数の学習項目を横断整理した知識がないと太刀打ちできない問題が増えている。
 総じて,やや難化傾向があることは確かですが,それだけに基礎知識の重要性は高まっています。基礎知識の徹底(基礎知識を試験本番で活かせるか)なくして,より高度で総合的な知識を身につけることはできないからです。

2 過去問のスペックの検討
 試験本番の正解肢を発見する方法に入る前に,まず,主に20年度の問題を中心に,過去問のスペック面から見ていきましょう。

 どのように出題されているのかイメージできないまま本番の試験を迎えるのでは,見通しをもって受験勉強することはできません。そのためにも,本番の試験のスペックを知っておく必要があります。

 出題項目については,すでに冬号で扱っているので,今回は,出題形式,出題歴,初出題となった正解肢数などを見ていきます。

1 出題形式
 宅建試験では,これまで,以下の4つの出題形式があります。
正誤問題 正しいものはどれか,または誤っているものはどれか
選択問題 該当する(しない)ものはどれか
個数問題 該当する(しない)ものはいくつあるか
組合せ問題 該当する(しない)ものの組合せはどれか

 20年度の試験で見ると,最も出題数が多いのは正誤問題です。以下の表を見れば,試験対策としては正誤問題を中心に見ていけばよいことが分かります。

 20年度試験の正誤問題数
権利関係     正しいものはどれか 11問     誤っているものはどれか 5問
法令上の制限 正しいものはどれか  4問      誤っているものはどれか 5問
宅建業法    正しいものはどれか 12問      誤っているものはどれか なし※
税法・鑑定   正しいものはどれか  4問      誤っているものはどれか なし※
その他(5問@免除)正しいものはどれか  2問   誤っているものはどれか 3問

※宅建業法・税法とも,20年度では「誤っているものはどれか」の出題数がゼロですが,例年は出題されているので,20年度のみのことと考えていいと思います。

 また,20年度の宅建業法では,正誤問題・選択問題・個数問題・組合せ問題の出題形式のすべてが出題され(宅建業法以外の分野では正誤問題のみ),このことも20年度受験した方の宅建業法の問題が難しく感じられた理由の1つになっています。

20年度の宅建業法の問題形式
正誤問題 12問
選択問題 2問(宅建業法に違反しないものはどれか,違反するものはどれか)
個数問題 1問(正しいものはいくつあるか)
組合せ問題 1問(違反しない組合せはどれか)

 選択問題と個数問題は正誤問題の派生系で,基本的には個々の肢の正誤(または該当するかどうか)を見ていけばよいのですが,組合せ問題では少し技術が必要です。

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