宅建直前対策 最近2年間の改正法令総まくり 予想問題1 十影 響

はじめに
 近年,宅建試験では直近の改正点が出題されています。今年も出題される可能性は高いと思われるので,ここでは,最近2年間の法令改正(民法の改正(*1)および税法その他の改正を除く)で,まだ未出題かつ試験対策上必須のもののアウトラインと予想問題をまとめていきます。

 なお,税制改正については,夏号で伊藤先生が詳しく解説されていますので,「宅建税制改正(夏号p.161)」を参照してください。

*1 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律の制定(平成20年12月1日施行)により,これまで「民法34条に定める社団法人」であった条文が「一般社団法人」または「一般社団法人もしくは一般財団法人」に変更になっている。

〈都市計画法〉都市計画の提案者(一般社団法人もしくは一般財団法人),〈宅建業法〉保証協会の指定要件(一般社団法人),供託所等の説明 (一般社団法人),指定流通機構の指定要件(一般社団法人もしくは一般財団法人)。

 なお,このほか,民法927条で相続債権者および受遺者に対する公告の手続について改正があった。

1 借地借家法(平成20年1月1日施行)

≪ポイント≫事業用定期借地権等
●事業用定期借地権(居住の用に供するものを除く(*2)。以下,同じ)の存続期間は,10年以上50年未満で設定できる。←〈改正前の存続期間は10年以上20年未満〉
●事業用定期借地権の契約は,公正証書によってしなければならない。


*2 この規定のため,賃貸住宅や分譲マンションの敷地にするための借地契約では適用されないことに注意

事業用定期借地権とは,借主がもっぱら事業の用に供する建物を所有することを目的に,①契約の更新がない,②建物の築造による存続期間の延長がない,③借主が貸主に対して,契約満了時に建物買取請求をしない,と定めた借地契約のことをいいます(借地借家法〈以下,この節で「法」という〉23条)。

この事業用定期借地権の存続期間は,条文上,厳密には,「存続期間が10年以上30年未満のもの」(法23条2項)と「存続期間が30年以上50年未満のもの」(法23条1項)の2種類があります。

これは,借地借家法3条では借地権の存続期間が原則として30年であることから,存続期間30年未満のもの(存続期間が30年未満となる例外的な借地権)と30年以上のもの(特約として事業用定期借地権を定める)で分けたことによります。

予想問題
 ○×で答えよ。
1 事業用定期借地権は,その存続期間を50年以上とすることもできる。
2 事業用定期借地権の契約は,公正証書による等書面によってしなければならない。

解答・解説
1 事業用定期借地権の存続期間は,10年以上50年未満で設定しなければならず,50年以上とすることはできない。×

2 問題文中の「公正証書による等」の「等」が余分である。「等」が入ると公正証書でなくてもよいことになってしまう。事業用定期借地権の契約は,必ず公正証書によってしなければならない。×

○定期建物賃貸借(法38条)
  公正証書による等書面によって契約をしなければならない。;
○取壊予定の建物の賃貸借(法39条):
  特約は,建物を取り壊すべき事由を記載した書面(公正証書でなくてもよい)によってしなければならない。
○一般定期借地権〈存続期間50年以上〉(法22条):
  公正証書による等書面によってしなければならない。
○事業用定期借地権(法23条)
  公正証書によってしなければならない。
○建物譲渡特約付借地権(法24条)
  この特約の書面について特に規定はない。