8――事務所等の規制
(1)従業者名簿の閲覧
〔基礎〕従業者名簿は,取引の関係者から請求があったときは閲覧に供しなければならないが,帳簿にその義務はない。
〔予想問題1〕宅地建物取引業者Aがすべての従業者に従業者証明書を携帯させている場合,Aは,取引の関係者に従業者名簿を閲覧させる必要はない。
【正解】× 従業者に従業者証明書を携帯させていても,取引の関係者から請求があれば,従業者名簿を閲覧させなければならない。
〔予想問題2〕宅地建物取引業者は,その事務所ごとに,その業務に関する帳簿を備え,取引の関係者から請求があったときは,閲覧に供しなければならない。
【正解】× 帳簿を閲覧に供すると,守秘義務に抵触するおそれがある。
●従業者名簿の記載事項
従業者ごとに,以下を記載する。
氏名,住所,従業者証明書の番号,生年月日,主たる職務内容,取引主任者であるか否かの別,当該事務所の従業者となった年月日,当該事務所の従業者でなくなったときは,その年月日
●保存期間
従業者名簿=最終の記載をした日から10年間保存
帳簿=各事業年度の末日に閉鎖し,閉鎖後5年間保存
(2)従業者証明書
〔基礎〕取引主任者証を提示しても,従業者証明書を提示したことにはならない。取引主任者証には,業務に従事する宅建業者や事務所の名称および所在地,宅建業者の免許証番号などは記載されていないので,その宅建業者の従業者であることを証明できないからである。
宅建業者は,その従業者全員に従業者証明書を携帯させる義務があり,携帯させなければ業務に従事させてはいけません。
従業者は,取引の関係者から請求があったときには,従業者証明書を提示しなければならないことになっています(法48条2項,施行規則17条)。
従業者証明書の記載事項
従業者証明書番号,従業者氏名,生年月日,証明書有効期間,業務に従事する事務所の名称および所在地,宅建業者の免許証番号,商号または名称,主たる事務所の所在地,代表者氏名
〔予想問題1〕宅地建物取引業者の従業者である取引主任者は,取引の関係者から従業者証明書の提示を求められたときは,この証明書に代えて宅地建物取引主任者証を提示すればよい。
【正解】×
(3)本店で宅建業を営まない場合
〔基礎〕本店で宅建業を営まない場合も,宅建業の事務所に該当するので,標識・報酬の額の掲示,帳簿・従業者名簿の備え付け,5人に1人以上の専任の取引主任者の設置が義務付けられている。
〔予想問題1〕従たる事務所でのみ宅地建物取引業を行い,主たる事務所では直接宅地建物取引業を行わない場合,従たる事務所でのみ国土交通大臣が定めた報酬の額を掲示しなければならない。
【正解】×
〔予想問題2〕法人の宅建業者が,本店で直接宅地建物取引業を行わない場合,その本店には専任の取引主任者を設置する必要はない。
【正解】× 本店で宅建業を行わない場合も,宅建業に従事する者は,法人の代表者,宅建業担当の役員,宅建業の会計担当者などは宅建業に従事する者と解されている。したがって,この場合も従事者5人に1人以上の割合の専任の取引主任者が必要になる。

