それでは,今年の出題内容の特徴を各分野別にみていきます。
1 権利関係
●正解肢の出題歴と難易度
正解肢に出題歴(関連出題を含む)があるものは14問中12問(20年度は16問中12問)で,初出題は2問でした。
しかし,過去問に出題歴があり,さほど難度の高いものではなくても,頻出問題とはいえないため,全体的に例年並みであっても(正解肢以外の選択肢も大半に過去問出題がある。初出題は少ない),受験者によっては難しく感じたかもしれません。実際,問3(賃料債権の消滅時効),問6(抵当権消滅請求),問9(負担付き贈与,実質的に初出題),問13(公正証書による規約)は自己採点集計での正答率が極端に低いもの(30%前後)になっています。
○5年以内に出題歴(4問):
問1(錯誤・動機の表示13-2-3*),問5(物上代位17-5-1,3),問8(解除前の第三者の権利保護要件16-9-1),問12(期間の定めのない建物賃貸借・使用貸借17-10-4,8-12)
;○6年前~10年前に出題歴(3問):
問4(公道に至るための通行権13-3-1),問7(法定地上権14-6-2),問13(公正証書による規約13-15-1*)
○10年超前に出題歴(5問)
:問2(未成年の代理人4-2-1),問3(催告と消滅時効の中断,元-2-2*),問9(負担付き贈与と瑕疵担保責任10-9-3*),問10(代金支払拒否権2-6-2),問11(法定更新の存続期間,昭61-13-3)
○初出題(2問)
問6(抵当権消滅請求の手続),問14(表題部所有者の変更登記の申請
(凡例)16-9-1は,類題が平成16年問9肢1で出題,昭61-13-3は昭和61年に出題されたこと,*印は関連出題があったことを示します。
判例を扱った問題(問1,問3,問7,問8,問10,問12)は6問で,数年前のほとんどが判例の出題だった頃からみると半減しています。
ただ,上でもみたように,判例が出題されなかった問題でも,なじみの少ないものが出題されていたため,判例出題が少なくなったといっても,難易度的にはやさしくなったとはいえないように思います。
18年度: 19年度: 20年度: 21年度;
12問: 12問: 8問 :6問
なお,前年に引き続き出題された判決文の問題(問7)ですが,正解肢が判決文そのままだったので,正答率はやや高いものになっています。宅建試験の場合,法律系の試験と違って,判決文の吟味や分析までは要求されていないので,今後出題されるとしても,それほど難しいものにはならないでしょう。

